Win10高速スタートアップの無効方法と4個のメリット【7割のPCトラブルが解消】

・パソコンを再起動してもトラブルが解決しない。

・WindowsUpdateが反映されない

・USBやBluetoothで使っている周辺機器がおかしい

 

このような悩みを解決できるように以下について解説していきます。

 

  • 高速スタートアップの仕組み
  • 高速スタートアップを無効にする方法
  • 高速スタートアップを無効するメリット4選

 

高速スタートアップは、Windows8から導入された起動時間を短縮する機能

しかし、この機能はトラブルの原因になることも多いんですよね。

 

実際に、私が某企業のパソコントラブル対応を担当していた時の話。

社内パソコンを全て「高速スタートアップ無効」にしたところ、PCトラブルの問い合わせ件数が、平均月50件くらいから平均月15回になりました。

7割も減ったということになりますね。

 

トラブル対応でイライラしないためにも、高速スタートアップの無効化を試してみてください。

 

 

高速スタートアップの仕組み

高速スタートアップとは、パソコンの起動を素早くするために、Windows8から搭載された標準機能の1つです。

 

仕組みとしては、「パソコンをシャットダウンする時にデバイスイメージ(OSや周辺機器の情報)を保存しておき、次回起動する時に保存したイメージを読み込むことで素早くパソコンを起動する」といったものです。

 

高速スタートアップが有効・無効によるパソコンの起動の流れについて、簡単に説明すると次のようになります。

 

  1. パソコンの電源を入れる
  2. BIOSの起動
  3. OSの起動
  4. 保存したデバイスイメージを読み込む
  5. ログイン
  6. ユーザー毎のデスクトップ画面を表示

 

  1. パソコンの電源を入れる
  2. BIOSの起動
  3. OSの起動
  4. デバイスドライバの読み込み・初期化
  5. ログイン
  6. ユーザー毎のデスクトップ画面を表示

 

パソコンを起動する時に一番時間がかかる工程は「デバイスドライバの読み込み・初期化」です。

※周辺機器が使用できるように設定する工程です。

 

高速スタートアップではデバイスイメージを保存しておくことで、この工程を省略して素早く起動できるようにしています。

 

 

高速スタートアップを無効にした方がいい理由

 

特に問題ないよう感じる高速スタートアップですが、「前回シャットダウン時とデバイス構成が同じ必要がある」という条件があります。

 

つまり、前回シャットダウン時とデバイス構成が変わると、うまく起動できない不具合が発生することがあります。

 

なぜなら、私が仕事で500件以上のPCトラブル対応をした中で、高速スタートアップを無効にしたことで解決した症状があるからです。

具体的には次の通り。

 

・ログイン直前で画面が真っ暗になる

・USB・Bluetoothの周辺機器(USBメモリ、マウス、外付けHDD)が認識しない

・起動中にWindowsUpdateが止まる

・ブルースクリーンが発生する

・ネットに接続できなくなる

・共有HDDのデータが壊れた

 

高速スタートアップが原因と断言はできませんが、無効にしたらピタッと症状が止まったので関連性は高いといえます。

 

冒頭でも説明した通り、実際、社内すべてのパソコンを高速スタートアップ無効に設定したところ、PCトラブルの問い合わせ件数が平均月50件くらいから平均月15回になり、7割も減りましたからね。

 

高速スタートアップを無効にする方法

 

それでは、高速スタートアップを無効にする方法を解説します。。

 

なお、設定のためには管理者権限が必要なので管理者権限を持つアカウントで作業してください。

※業務用PCでない限り、管理者で制御していないので気にしなくてOKです。

 

(1)スタートメニュー > Windowsシステムツール > コントロールパネル の順番で開きます。

 

(2)表示方法を「カテゴリ」に変更し、「システムとセキュリティ」を開きます。

 

(3)「電源ボタンの動作の変更」を開きます。

 

(4)「現在利用可能ではない設定を変更します」を開きます。

 

(5)「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外し、「変更の保存」をクリックして完了です。

 

 

 

起動・シャットダウン時間の比較

 

 

高速スタートアップを有効・無効による、起動時間・シャットダウン時間を比較しました。

2台のパソコンで各5回計測してみたので紹介します。

 

(1)Microsoft Surface Laptop2

OS:Windows10 Home

メモリ:8GB

CPU:Core i5-8250U

ストレージ(SSD):128GB

 

高速スタートアップ 有効 無効
起動時間 8.8秒 25.5秒
シャットダウン時間 9.6秒 7.2秒

 

 

(2)HP Probook 450 G3

OS:Windows10 Pro

メモリ:4GB

CPU:Celeron CPU3855U

ストレージ(SSD):256GB

 

高速スタートアップ 有効 無効
起動時間 10.9秒 28.2秒
シャットダウン時間 29.5秒 25.6秒

 

起動時間は、高速スタートアップが有効の方が速いです。しかし、極端に速いわけではなく、数秒速い程度の差でした。

 

シャットダウン時間は、高速スタートアップが無効の方が速いという結果になりました。

これは、デバイスイメージファイルを作成する時間が無いので、その分だけ早いということでしょう。

 

 

高速スタートアップを無効にする4つのメリット

 

ここまで高速スタートアップは無効にしたほうが良いと説明してきましたが、具体的にはどんなメリットがあるのか、次の通り紹介します。

 

(1)起動・シャットダウン時間に大きな差がないから

(2)シャットダウンにより未然にPCトラブルを回避できる

(3)WindowsUpdateが正常に反映されるようになる

(4)USBや周辺機器が正常に認識されるようになる

 

(1)起動・シャットダウン時間に大きな差がないから

 

高速スタートアップが有効だとしても、起動時間が極端に速いというわけではなく、数秒速い程度です。

 

シャットダウン時間にいたっては、デバイスイメージを作成する時間が無い分、無効の方が速いという結果でした。

 

起動時間に数秒しか差が無いなら、高速スタートアップは無効にして、パソコンの動作を安定させる方がストレスは少ないですよ。

 

(2)シャットダウンにより未然にPCトラブルを回避できる

 

高速スタートアップが有効の場合、パソコンのシャットダウンと再起動の動作が違います。

無効の場合は、どちらも同じ動作となります。

 

〇シャットダウン:デバイスイメージを保存するので、休止状態となります。

〇再起動の場合:完全にシャットダウンとなります。

 

「パソコンが重い・動作がおかしい」といった不具合がある場合、再起動をすると解決することが多いですよね。

 

この理由は、「再起動」で完全シャットダウンすると、デバイスドライバを初期化・再読み込みするので、不具合が解消するからです。

 

一方、高速スタートアップが有効だと、「シャットダウン」する前のデバイス情報を再読み込みするだけなので、不具合の原因は解消しません。

 

しかし、高速スタートアップを無効にすると、「シャットダウン」が、完全シャットダウンになります。

 

そのため、パソコンを「シャットダウン」した時でも、デバイスドライバを初期化・再読み込みするので、未然に不具合の原因を取り除くことができます。

 

(3)WindowsUpdateが正常に反映されるようになる

 

私の経験上、高速スタートアップが有効だと、WindowsUpdateに関するトラブルが多いです。

 

これはWindowsUpdateの更新プログラムの性質が関連してます。

 

(2)でも説明した通り、高速スタートアップが有効の場合、パソコンをシャットダウンすると完全シャットダウンではなく休止状態になります。

 

WindowsUpdate更新プログラムは、完全シャットダウン後、次のWindows起動時に保留中のインストール操作の処理が必要になる場合があります。

 

つまり、高速スタートアップが有効の場合は休止状態からWindowsを起動するので、WindowsUpdateの更新プログラムがうまくインストールされない現象が発生します。

 

WindowsUpdateは月に1回は発生する作業なので、このようなトラブル対応で時間を取られないためにも、高速スタートアップは無効にしましょう。

 

(4)USBや周辺機器が正常に認識されるようになる

 

社内のサポートデスクの仕事の中で最も多かった問い合わせは、「USBで接続している周辺機器が認識しない」という内容でした。

 

しかし、社内パソコンを全て高速スタートアップ無効にしてからは、この内容での問い合わせは、ほぼ0になりました。

 

この理由について紹介していきます。

 

高速スタートアップの仕組みは、シャットダウン時のデバイスイメージを保存しておくことで、素早く起動できるというものでした。

 

そのため、同じデバイス構成じゃないと、USB・Bluetoothなどで接続している周辺機器が認識しなくなることがあります。

 

ただ、「同じ周辺機器を使っているのに、なぜか認識しない」という症状もありました。

 

これは、シャットダウン前に周辺機器を取り外したことで、何も接続されていない状態でデバイスイメージが作成され、認識しなくなったと考えられます。

 

いずれにしても、USB・Bluetoothで接続している周辺機器を使っているなら、トラブルを事前に回避するためにも高速スタートアップは無効にした方が良いでしょう。

 

 

まとめ

 

『高速スタートアップの仕組み』『高速スタートアップを無効にする方法』『高速スタートアップを無効するメリットを4つ』について紹介してきました。

 

最後に軽くおさらいしましょう。

 

まず、高速スタートアップの仕組みは、「パソコンをシャットダウンする時にデバイスイメージ(OSや周辺機器の情報)を保存しておき、次回起動する時に保存したイメージを読み込むことで素早くパソコンを起動する」といったものでした。

 

ただ、高速スタートアップは、「前回シャットダウン時とデバイス構成が同じ必要がある」という条件があり、それによる不具合が多いので無効にした方が良いです。

 

無効にする方法は次の手順です。

 

(1)スタートメニュー > Windowsシステムツール > コントロールパネル の順番で開く。

(2)表示方法を「カテゴリ」に変更し、「システムとセキュリティ」を開きます。

(3)「電源ボタンの動作の変更」を開きます。

(4)「現在利用可能ではない設定を変更します」を開きます。

(5)「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外し、「変更の保存」をクリックして完了

 

また、高速スタートアップを無効にするメリットは次の4つのとおりでしたね。

 

(1)起動時間にそれほど大きな差はないから

(2)シャットダウンにより未然にPCトラブルを回避できる

(3)WindowsUpdateが正常に反映されるようになる

(4)USBや周辺機器が正常に認識されるようになる

 

企業向けサポートデスクの仕事をしていますが、高速スタートアップを無効にすることで問い合わせ件数が7割減りました。

 

パソコントラブルでイライラしないためにも、高速スタートアップは無効にして快適なパソコンライフを過ごしましょう!

 

以上、最後までご覧いただきありがとうございます。